cognuts’s blog

一个日本人自己做正宗中国菜的博客。在餐厅一定要点炒饭和锅贴的人不要看。

素包子

健康診断を間近に控えているので、夜は精進料理。野菜まん。

包み方があんまり綺麗じゃないな。もっと修行しないと。二次発酵は十分に留める。あんまり発酵させ過ぎると、ふかふかを通り越してフワフワになってしまうから。

できるだけぎっしり詰めたつもり。特に野菜まんは、餡が詰まってパンパンになったくらいが美味しい。

餡の内わけは、韮、青梗菜、ホウレン草、筍が3:2:2:1の割合。以前作ったとき野菜の配分が難しいと書いたが、今の所これがベスト。やはり、韮が入ると味がしっかりする。精進ものでも「食べたぞ」という満足感があるのだ。ただ、女房が言うには食べた後の匂いが気になるとのこと。韮は臭いには臭いが、ある種の清々しさがある、気にすることはないと思うのだが…。ただ、後から臭いが来るのは確かなので、やはり韮の割合を減らすべきか。替わりは何だろう、豆苗か小松菜か。野菜まんだと卵や春雨を入れる場合が多いが、私はそれは嫌いなので野菜のヴァリエーションを増やすことで対応したい。

一応腹を満たしたので、後は寝床に入って読書。選んだのはこれ。

フランス語の勉強をかねてこの中の「女の一生」を読む。読み始めたばかりで、まだジャンヌがコルシカ島に新婚旅行に行った辺りなのだが、この時点でもう男の鈍感さと身勝手さに傷つけられる女の哀れさがひしひしと伝わってくる。(あんまり可哀想に書けているので身につまされるが。)

青木雄二が「大抵の作家はドストエフスキー以下なんだからドストエフスキーを読めば十分」みたいなことを言ってたが、私も同じ考え。現代の海のものとも山のものともつかぬ作家の本を読むのは時間の無駄。(芸人やタレントの書いたクソ小説など問題外。あんなもん金出して読むなんてどこのバカだよ。)そんな暇があるなら古典を読む。小説だったら、モーパッサンとかゾラとか十九世紀の作家の作品。トマス・ハーディを除けば、面白さと内容の深さでフランス文学に匹敵するものはちょっとないのだ。特にゾラは、バルザックとならんで最も敬愛する作家。「居酒屋」や「ジェルミナール」のような社会問題に取り組んだ作品も素晴らしいが、私のお気に入りは日常生活を切り取ったような小品。中でも「愛の一ページ」は人間の機微を捉えると同時にフランスらしい瀟洒な味わいを併せ持った傑作。技巧的にも最高の小説だろう。

 

2023 12/28 追記

昨日「女の一生」読了。

学生時代に一度読んでいるのだが、随分印象が違う。途中から狂信的なカトリックの神父が出てくるが、当時宗教に興味がなかったのか、全く記憶にない。ラストの主人公の有名な台詞も、諦念の末の自分を納得させるための言葉、くらいに考えていたのだが全然違っていた。

中盤以降の畳みかけるような不幸の連鎖も面白いが、現代の日本人がもっとも興味深く読めるのは、ジャンヌの夫ジュリアンの存在だろう。当時十九世紀のフランス文学には数多くのダメ男が登場するが、こいつはダメ男というより男のいや~な部分を体現したような人物。無神経で自己中心的、ケチでしかも「俺は賢いから金の使い方を知っている」と自分がケチなのを自慢する、おまけにスケベ。無神経で気が利かないから相手を慰める気の利いた台詞一つ言えない。男性中心の社会でわがままに育った日本人男性の多くが身につまされることだろう(私がその例外とは言わない。)人間、男と女の二種類しかいないのに、こんなロクデナシどもと鼻を突き合わせて暮らすご婦人の苦労が思いやられた。

個人的に好きなのは、前半部分の様々な描写。修道院から戻ったばかりの主人公が見る故郷の風景、人生の淡い夢、そして新婚旅行で訪れたコルシカ島鄙びた風景。何気ない表現の一つ一つが美しく、それらの思い出が皆無惨に踏みにじられる主人公の将来を思うと胸が締め付けられる。こういう描写が外国文学は本当に上手い。さりげないのにどれも意味がある。単なる雰囲気づくりの”写生”に終わっていないのだ。

よし、これで大分弾みがついた。次はバルザックの「暗黒事件」だ!