cognuts’s blog

一个日本人自己做正宗中国菜的博客。在餐厅一定要点炒饭和锅贴的人不要看。

焼味

毎日毎日暑いですな。こう暑くっちゃぁ、料理をする気にもなれません。そこで、以前作ったものをお目にかけようとアップしました。

以前申し上げたかどうかは忘れましたが、あたしは無類の肉好きで。反対に炭水化物は嫌い!腹一杯にならなかった時しょうがなく食べるもの、ぐらいにしか考えておりません。

「どうしたい、おめぇ。肉ばっか、じゃねえか。米の飯ぁ、食わねえのか?」

「そんなもんは食わねえよ。肉が米の替わりだぃ。俺ぁ、肉をおかずに肉を食うんだ」

てな具合ですから、大変なものでございます。

俺くらいの肉好きはいやしめぇ、と思っていると、この間youtubeですごい人をお見かけして。その人ときたら、沼だろうと森だろうとどんどん入ってって、猟師みたいに罠ぁ仕掛けて、ハクビシン(あっ、いいな!広東料理の名物)やらウシガエルやらなんでも捕まえっちまう。それで自分で捌いてお召し上がりになるんだから、大したもんでございます。相当の肉好きのようで。上には上があるもんだと恐れ入りました。するってえと、何ですな、あたしのブログなんぞも、もうちょっと世間様の注目を浴びようと思ったら、そのくらいのこたぁしなくちゃいけないんですかな。鉄砲担いで、イノシシやら熊なんか撃っちゃったりなんかしてね。でも、反対に追いかけられたりして。こうなったら、料理も命がけですな。

しかし、よくよく考えますに、そのハクビシンの御仁とあたくしとでは、同じ肉好きでも種類が違いますな。そのお方がいくら肉好きでも、猟が生業でもない限り、毎日獣を獲りに山に入るわけにはいかないでしょう。あたしの方は、そんなに珍しいものはいらない替わりに、家鴨やら羊やらを少なくとも週に一遍は食ってみたい…。

ここで皆さんにお尋ねしたいんですがね、なんだって日本人は鶏と豚と牛しか食わねえんですかね?たまに他の肉に手を出したって常食ではない。ご維新からこっち日本人も肉を口にするようになりましたが、あんまり進歩がありませんな。だから、当然家鴨や鵞鳥も食ったりしない。おかげで日本じゃまともな中国料理にはありつけません。ああいう水鳥こそ中国料理の花形なのにね。 フランス料理だってそう。子羊や子牛をきちんと出す店が一体日本に何軒ありますか?せいぜい冷凍物がでてきたらいい方でしょう。でもあたしに言わせりゃ、それじゃ食ったことにならない。新鮮な子羊や子牛なんてのは実に美味いもんですよ。肉の繊維がプリッとはじけて、肉汁もフレッシュなやつがふんだんに溢れてね。そういう御馳走の中の御馳走がないんだから、フレンチって言ったって、上野に花見に行って桜がないようなもんです。そんな子供騙しをうまいうまいと食ってる野郎の気が知れません。つまり、何が言いてえっかってえと、こういうことです。獣肉(ジビエ)はいい。日常的に食べる家畜の肉の種類を増やしたい…。

ただね、それを日本で実現しようとすると、山へ入って罠仕掛けるくらいじゃすまされない。それこそ、田舎に行き広ーい田畑買ってそこで家畜を放し飼いにして自分で育てる覚悟がいる。そのための銭と暇をどう捻出するか、それを今思案中なんですがね…。

 

今回は五代目志ん生風に書いてみました。途中「しちゃったりなんかしてね」という言い方してますが、広川太一郎じゃありませんよ。志ん生は枕だとああいうくだけた言い方を時々するんです。