広東名菜、牛乳炒め。広東省の中でも順徳市は乳牛の産地。また、市内の大良鎮は優秀な料理人を輩出した土地柄でもあるので、恐らく同地で考案された料理なのでしょう。（香港のレストランでメニューを見ると「大良炒鲜奶」と書いてある。）ただ、牛乳の炒めと言っても牛乳だけを炒めるわけではなく、卵白や蟹肉を混ぜるのが特徴。今回は蟹肉ではなく貝柱を使い、コクをつけるため生クリームを加えました。松の実がかかっているのは、以前香港の「鳳城酒家」で食べたものを真似したかったからです。
ただ作るとなると結構難しい。なべ底にくっついたり、焦げたりして綺麗に仕上がらないんです。だから、私はこれを作る時は炒めるのではなく油で揚げています。よく鍋を熱してから徐々に油を注ぎ、適当な温度を見計らって生地を落とし込む。火が通ると自然に浮いてくるので、それを掬い取ります。うまく鍋に油が馴染んでいれば、底にくっつくこともないので、炒めるよりは簡単だと思います。
