cognuts’s blog

一个日本人自己做正宗中国菜的博客。在餐厅一定要点炒饭和锅贴的人不要看。

红烧肉

女房が女子会とやらで今晩留守。最近彼女に付き合ってずっと野菜料理だったので、この時とばかりに肉料理を作り始める私。痛風になろうが糖尿病になろうが、こればっかりはやめられませんわ。メニューは好物のこれ。

よく似た料理に「東坡肉」がありますが、中国料理に詳しい方のあるサイトによれば、煮る前に焼くのが「紅焼肉」で、そのまま煮るのが「東坡肉」なのだとか。また、「東坡肉」があくまでも杭州の郷土料理であるのに対し、「紅焼肉」は中国全土で食べられている料理なのだという解説も。ただ、これを看板料理にしているのは「上海料理」の7そのレストランだけなので、やはり元は江南地方の料理なのでしょう。

もう一つこの料理について語るべきは、ワインレッドのあの見事な紅色。レストランで出された料理を目にする度に、「どうやったらこんなに綺麗な紅色になるんだろう?」と、それが不思議でしょうがありませんでした。「あの色は老抽(中国たまり醤油)じゃないと出せない」とまことしやかに言う人がいますが、ありゃ嘘ですね。老抽を使おうが蚝油を使おうが、あの鮮やかな色は出ません。「一体秘密はなんだ?」首を傾げていたところ、たまたま開いた向こうのレシピ本に「紅麹米」なる文字が。そうか、正体はこれだったか!膝を叩いて早速買いに走ったが、これがまぁ見つからない。地元神戸の南京町を駆けずり回りましたが、どの食材屋さんにも置いていない。富沢商店で「紅麹パウダー」なる物が売っていますが、どうも日本の紅麹と中国のそれとはまた別らしく、薄っすらピンクにしかならない模様。アマゾンで取り扱っていますが、送料が本体と同じくらいするんじゃあ、ちょっと買う気がしないなあ。どうしたものかと悩んでいたところ、同じ市内に住む知り合いの中国人から、「紅麹なら家にあるよ」という有難いお言葉が。早速分けて貰い、作ったのがこれ。


どうです、見事な色でしょう。でも、ちょっと鮮やか過ぎたかな。それに、なんだか味もちょっと苦いぞ…。改めてレシピ本を見ると、「紅麹米はかすかに苦みがあるので、ハーブと一緒に水につけてから使え」と書いてある…。畜生、今更気づいても後の祭りか…。石臼ですり潰したのをてんこ盛りに入れちゃったからなぁ。まあ、いいんです、多少苦くても。紅くするのが目的でしたから。何?どうしてそんなに紅色に拘るかわからない?。あまり思い入れのない人にはどうでもよいことかもしれませんね。でも、この料理はこの色じゃなきゃ意味がないんです。盛り付けに頼らずそれ自体が美しい、それが中国料理のいい所なんです。

今日の晩飯はこれだけ。私は炭水化物に全く興味がないんで、肉か魚、それに酒があれば十分なんです。十五年物の「古越龍山」があればなおいいんですが、ないので仕方ありません、今日のところはワインで我慢しましょう。

そうそう。あと、肴がもう一つ。

この昆劇のCDは、演奏は蘇州昆劇院、そして歌い手はトップ女優の王芳さん、と最高の布陣。私は中国旅行中にたまたまテレビで見てこの方のご尊顔を拝したことがあるのですが、第一線の女優にふさわしい威厳と気品もさることながら、なにより崑劇の演技術を解説する、その大学教授顔負けの理路整然、滔々たる弁舌に圧倒されました。このCDでは、艶やかな美声の繊細な歌唱を披露をしておいでです。今宵は、これを聴いて、蘇州や杭州に思いを馳せつつ、一人しみじみ飲みますか。