cognuts’s blog

一个日本人自己做正宗中国菜的博客。在餐厅一定要点炒饭和锅贴的人不要看。

佛跳墙

言わずと知れた福建省の名物料理。もっとも、一口に佛跳墙と言ってもピンからキリまで。以前CCTVの食ドキュメンタリー「舌尖上的中国」でも取り上げられていましたが、特に上等な佛跳墙は料理人が三日三晩厳選された素材からエキスを抽出して作るもの。それに比べれば、私の作ったものなどナンチャッテですね。材料も中途半端ですし、作り方もそこまで手間をかけていない。でも、一応フカヒレを始め基本の乾物は使っているので、端くれぐらいには数えてもらえるんじゃないかと思っています。

下の写真は、戻す前のフカヒレとナマコ。

戻す工程はそれほど難しくない。時間はかかりますけど。二晩水につけた後、茹でるか蒸すだけ。ただ、元は海のものなので微妙に生臭い。火にかける時は、たっぷりのネギと生姜、それに紹興酒を加えましょう。

後、大切なのはお肉の出汁ですね。

味の基本のパーツとなる、干し貝柱などの貝類の乾物ですが、それ自体は磯臭いだけでそんなに美味しいものではない(と思う。)ただ、それをどっしりとした肉の出汁で受け止めることで、ビックリするほど美味しくなる。味に奥行きが生まれるんです。鶏肉、豚肉、牛肉、考えられる限りの材料を放り込みます。

寸胴で煮込むこと八時間。丁寧に灰汁を取り除き、最期に戻したフカヒレとナマコを投入して味を煮含ませて完成。

どうです、このフカヒレの艶と輝き。たっぷり旨味を吸収して、トロトロのプリプリ。

沁み渡るような旨さに大満足。ただ、あまりにも腹持ちが良すぎて他のものが食べられなくなるのが難点ですが。

私がこの料理が好きなもう一つの理由はその名前。「匂いにつられたお坊さんが垣根を飛び越えてやって来る」なんて、なんとユーモラスなんでしょう。また「仏」という言葉の持つ神秘的な響きが、海の宝石を閉じ込めた玉手箱のようなこの料理の特質をよく言い表している。絶妙のネーミングセンス。だから、旅行ガイドブックなんかで「ぶっとびスープ」なんて呼び方をしているのを見かけるとがっかりしますね。せっかく中国人が素敵な名前を付けてくれたのに、どうしてそんな下品で馬鹿げた言い方をしなくちゃいけないんですか。”フォティアチャン”と中国式に発音するか、音読みして”ブットウショウ”と言いましょう。